ケア用品
インプラントを長持ちさせる6つのケア用品
デンタルインプラントは、天然歯よりも細菌感染に弱くデリケートです。歯科医院でのプロケアも大事ですが、やはり毎日行われるお手入れがインプラントの寿命の長短を左右します。
マウスケアというと歯ブラシを考えがちですが、ケア用品はそれだけではありません。歯間ブラシや舌ブラシなどの、歯ブラシ以外のセルフケア用品をご紹介します。
歯間ブラシ
歯ブラシが届きにくい歯と歯の間には、歯間ブラシがおすすめです。デンタルフロスに比べて歯間部が広い場合に適しており、隙間に残ったプラークを効率よく取り除けます。
歯間ブラシは、プラスチックの持ち手に金属のワイヤーがついている小型のデンタルグッズです。金属のワイヤーはナイロン毛でコーティングされており、歯茎や傷つきやすいインプラントを痛めないように設計されています。歯間ブラシの毛は、ワイヤーが入っているため自由に角度をつけて使うことも可能です。角度を変えながら汚れが停滞しやすいポイントを狙ってフロッシング出来ます。
また、ブラシ部分がシリコンゴムで作られているタイプもあります。どちらが良いかは個人の好みや歯茎の状態にもよりますが、毛が密接しているワイヤータイプの方が歯垢を掻き出す力が大きいです。対してゴム製は、かき出す力は弱いものの初心者でも歯や歯茎を痛めずに使いやすいタイプです。
歯間ブラシのタイプ
歯間ブラシは大きく分けて2つのタイプに分類されます。持ち手がまっすぐのストレートタイプと、持ち手がL字状になっているアングルタイプがあり、さらにストレートタイプは柄の長いタイプと短いタイプに分かれます。
前歯の清掃には垂直に歯間ブラシを入れられる、柄の短いストレートタイプがおすすめです。奥歯の清掃にはL字タイプが使いやすいですが、ブラシ部分がワイヤー製なら曲げることで、前歯だけでなく奥歯の清掃もスムーズに出来ます。どちらのタイプが適しているかはインプラントの部位やお口環境によって変わるため、歯科医院で相談しながらいくつか試してみるといいでしょう。
歯間ブラシのサイズ
歯間ブラシのサイズは様々です。細いものは3Sから太いものはXLまであり、メーカーによって若干の太さや質感の違いがあります。柄の部分はサイズによってカラフルにカラーリングされています。自分に合ったサイズが分かれば色で識別でき、サイズ選びに迷いません。
歯間ブラシは歯の隙間に合ったサイズを選択することが大切です。サイズが大きい場合は隙間に入らず、無理やり押し込むと歯茎やインプラントを傷つける可能性があります。逆に小さすぎるブラシは清掃の効率がよくありません。サイズ選びは慎重に行いましょう。
デンタルフロス
デンタルフロスは歯と歯の間の狭い隙間や、前歯のインプラントの清掃に適しています。ドラックストアでは、ワックスでコーティングされたタイプと、コーティングされていないタイプが販売されていますが、初心者の方には前者のコーティングタイプがおすすめです。狭い隙間やインプラントの根元までにスッと入り、ブラシでは取り除けない細かな汚れを絡めとります。また、デンタルフロスによっては、ミントフレーバーがついているものもあります。
スーパーフロス
何本かの歯が連結したタイプのインプラントには、スーパーフロスがおすすめです。スーパーフロスとは、初めから40~50cm程度に切られており、歯間に通す部分にスポンジが付いている清掃グッズです。デンタルフロスが連結されたインプラントの狭い隙間に入り込み、太いスポンジ状のフロスがプラークを除去します。
舌ブラシ
口臭の原因の多くは舌についた細菌です。舌ブラシは舌の表面に付着した細菌の塊を取り除くグッズです。歯ブラシで舌磨きをする方もいますが、歯ブラシでは固すぎるので舌を傷付ける恐れがあるので、舌ブラシを使うようにしましょう。
お口の中をきれいに磨いた仕上げに、舌のお手入れも行いましょう。舌の表面にある白い舌苔(ぜったい)を取り除くことで、見た目が良くなるだけでなく、お口の中の細菌の数が減り口臭の改善や歯周病予防への効果も期待できます。
タフトブラシ
タフトブラシは歯ブラシのような長い柄に、歯ブラシの1/3程度の毛束がついたブラシです。極小のヘッドが奥歯まで届きやすく、複雑な歯列であっても簡単に清掃ができます。汚れが付きやすい歯の裏側や歯と歯茎の境目など、インプラントの清掃以外にも使い方は様々です。
メーカーによって毛の長さや柔らかさは異なりますが、インプラントの清掃には毛の柔らかいタイプがおすすめです。インプラントの手術後からメンテナンス時まで、歯茎を傷つけることなくやさしくケアできます。
マウスウォッシュ
マウスウォッシュとは、歯周病や虫歯、口臭を抑えるためのデンタルグッズです。インプラントの天敵である歯周病を抑える目的として、歯ブラシの清掃後の仕上げに使うと効果的です。
マウスウォッシュは、配合されている成分によってピリピリするような刺激の強いものもあります。特にインプラントの手術後の歯茎が敏感な時は、使用を控えた方がよいでしょう。どうしても使用したい場合は、低刺激タイプのマウスウォッシュを使っても構わないか、歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。
ケア用品を選ぶポイント
ドラックストアでは様々なケア用品が並んでいます。虫歯や歯周病対策の商品はあっても、「インプラント専用」の商品少なく、ケア用品選びにお困りの方も多いのではないでしょうか。迷った時は担当の歯科医師や歯科衛生士に聞くのが一番。お口の中に合った適切なケア用品を選択してくれ、適切な使い方も教えてくれます。
また、健康な口腔環境を維持できていても、年齢によってお口の環境は変化します。その変化に応じてケア用品を変えていくことも大切です。インプラントのメンテナンスのため、良い口腔環境を維持するためにも、セルフケアと並行して定期的な通院もしましょう。